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旺文社

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interview

先輩たちの物語

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勇気をもって一歩踏み出すことで、違った世界が見えてくることを体感


先輩たちの物語第2回にご登場いただくのは、有限会社東郊住宅社 代表取締役社長 池田峰(いけだ みね)さん。東郊住宅社では、入居者向け食堂「トーコーキッチン」を運営し、人と人とのつながりを大切にしています。自分探しのために実行した海外への一人旅や、アメリカの大学で学んだ経験を通して得たものが、今に生きているという池田さん。高校生までにはもつことができなかった“一歩踏み出す勇気”をもてるようになるまでには、どのような変化があったのでしょうか。
※最上部の写真は(c)Kenta Hasegawa

Profile
池田 峰
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有限会社東郊住宅社 代表取締役社長

池田 峰さん

1973年、神奈川県相模原市生まれ。日本の大学に進学するも自主退学し、アメリカ・アイダホ州の大学に編入して心理学とアートを専攻。卒業後、帰国してグラフィックデザイナーとして就職。その後、広告代理店勤務、ニュージーランド移住などを経て、有限会社東郊住宅社に入社。

https://www.fuchinobe-chintai.jp/toko_kitchen.html

01
interview

小学生~高校生時代を振り返って

──どんな少年時代を過ごしましたか

池田さん 幼少期の夢は、プロ野球選手になること。小学2年生から野球に打ち込み、中学生まで続けました。高校でも野球を続けようとしましたが、すぐに退部。急にやりたいことを見失った状態になり、高校時代は鬱積とした期間を過ごしました。高校進学にあたって私立の強豪高校から推薦の話もいただいたのですが、厳しい世界に身を置くことに怖さを感じて、その一歩を踏み出すことができずに辞退。結果、自分の意志で公立高校を選んだのに、大好きな野球をやめてしまった。そんな自分がふがいなかったです。

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(c)Kenta Hasegawa 現在、池田さんはじめ東郊住宅社のみなさんが運営している入居者向け食堂「トーコーキッチン」。神奈川県相模原市にあり、近くの青山学院大学相模原キャンパスや桜美林大学町田キャンパス、麻布大学などに通う学生さんもたくさん利用しています。

──その後、将来についてどのように考えるようになりましたか?

池田さん もともと人の心やその動きといったものに興味があり、心理学を学びたいと考えるようになりました。思えば、中学生時代の野球のポジションがキャッチャーで、人の心理を考えたり、駆け引きをしたりしていたことも、心理学に興味をもつきっかけとなったのかもしれません。小学生の頃は主にピッチャーだったのですが、6年生でキャッチャーを務める機会があり、それまでとは違った視点からグラウンドを見渡したときに、自分の中でスイッチが切り替わった気がしました。心や考え方が大きく変化し、中学生になると自身の意志でキャッチャーになったんです。


02
interview

大学時代を振り返って

──何を学びたいと思っていましたか?

池田さん 心理学の中でも、例えば、犯罪を犯す人とそうでない人との心理は何が違うのか、心の病と言われる人とそうでない人とではどこに境があるのかなど、そういった分野に興味・関心があり、研究したいと思っていました。志望どおり、心理学部のある大学に進学したのですが、その心理学は私がイメージしていたものと違いました。というのも、当時の日本の心理学は文系色が強かったこともあって、私には臨床的な要素が少なく感じられ、自分が求めていたものに至る道筋が見えてこなかったんです。

──それから、どのような転機があったのでしょうか。

池田さん 大学3年生への進級前、友人から「言っていることとやっていることが違う」と指摘されたんです。その言葉をきっかけに、考えれば考えるほど本当の自分の心が見えなくなり、自信がもてなくなりました。そこで、どこか知らない環境に身を置きたいと思い、海外への一人旅を決断。プランも何もなく、チケットだけを握りしめてフランスへ飛びました。しかし、いざフランスの空港に着いてみると、掲示板に表示されている言葉の意味すら理解できず、何をしたらいいかもわからない。「何とかなる」と思っていたのに、何ともならないことを思い知らされたんです。
そのまま何もできずに、2時間くらいが経過しました。精神的に極限まで追い詰められたところで恥も外聞もかなぐり捨て、とにかくどんなことをしてでも空港から出ようと決意。必死に身振り手振りを交えながら、何人もの人に尋ねながら移動し、気づいたらパリの中心地にいました。そして、我に返ったときに、素の自分になるきっかけを見つけることができた気がしたんです。この経験を通して、大きな達成感を得ることができました。

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──そこで何を感じ、どのようなことを学んだのでしょうか。

池田さん 自分でひとつ殻を破ったことによって、世界が広がっていったんです。結局、フランスに1週間滞在したのですが、心に余裕が出てきてモナコにも行きました。最初は空港で2時間も動けずにいた私が、一歩踏み出したことで怖れるものがなくなり、数日後には一人で隣国まで行けるようになったんです。目的の達成に向けてがむしゃらに行動すれば、何かしらの答えが得られ、次のステップに進む勇気が生まれることを体感しました。
初めてのことをするときには、緊張したり、萎縮したりするのは当然。それでも、まずは失敗してもいいくらいのつもりで頑張ってみることが大事だと気がついたんです。「初めて体験する」という体験を一度でもクリアすれば、次回からは対象が変わったとしても“初めての初体験”ではなくなり、「初めてではない」と思うことが自信につながるはずです。勇気を奮って一歩踏み出してみると、自分の知識や憶測なんてたかが知れていることに気づいて視野が広がり、違った世界が見えてきます。この旅での経験から、私はそのように学びました。

──その後は、どのような変化があったのでしょうか。

池田さん それから、一人でさまざまな国へ行くようになりました。訪れた街では、必ず行きつけの店をつくるようにしています。そうすると、最初は「アジア人が来た」くらいにしか思われないのですが、深くかかわっていくにつれて、徐々に私を「池田峰」という個人として認識してくれるようになるんです。そうした経験を通して、他者と関係を築くためには、小さくてもコミュニケーションを積み重ねることが大切なのだと、身をもって理解しました。そうやって得たものが、「トーコーキッチン」をつくるきっかけにもなっています。

──海外への進学はどのようにして決めたのでしょうか。

池田さん 大学3年生を終えたところで休学し、ワーキングホリデーでニュージーランドへ。語学学校に通い、あえて日本語をまったく使わない生活を3か月間続けてみたら、TOEFLの得点がアメリカの大学に入学できるレベルにまで達しました。それならばと、一大決心。アメリカの心理学は、日本より医学・理学寄りだと聞いていたので、日本の大学を退学してアメリカの大学に編入することにしました。
どの大学へ行くか悩んでいたとき、テレビで偶然、あるアメリカの大学での心理学研究の様子を放送していました。それを見て、「自分がやりたい心理学はこれだ」と確信。自力でどこの大学なのかを調べて、迷わずに入学手続きをしました。一人旅に慣れていたので、新しい場所に行くことへの抵抗感はありませんでした。

──アメリカの大学での学びはどのようなものでしたか?

池田さん 入学して聞いてみると、どうやらテレビの情報が間違っていたらしく、私の興味をひいた実験をその大学ではしていなかったんです。当初は他の大学へ転校することも考えましたが、学び始めるとすぐに考えは変わりました。そこでの心理学は、解剖学などもあって医学に近いもので、とてもおもしろかったんです。ようやく求めていた心理学とめぐり会い、そのまま満足のいくまで心理学を学んで卒業しました。大学生活は周りに日本人がいない環境で、あらゆる出来事が刺激的に感じられたのを覚えています。




このように、学生時代には自身の積極性と行動力を活かして多くのことを学んだ池田峰さん。第2弾の記事では、卒業後から現在に至るまでの軌跡や、現在のお仕事、今後の展望についてご紹介します。

  • CZIL9752

    東郊住宅社のイメージカラーがお店にも街のあちこちにも。

  • JHHT1957

    出来上がったメニューはトーコーキッチンのSNSでみなさんにお知らせされます。

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